【レビュー】DIAURA/DEFINITION
こんばんはひいろです
記事一発目として去る2019年2月13日にリリースされたDIAURAのミニアルバム、DEFINITIONのレビューを書いてみようと思います
基本情報
DIAURA4枚目のミニアルバム
収録曲
- ivy(A type)/ファントム(B type)
- MALICE
- 嘘とワルツを
- [dignity]
- ヘルグライド
- SPECIES
- 断頭台から愛を込めて
各曲レビュー
ivy
A type の1曲目
ミドルテンポで曲が進むにつれて細かく移り変わっていくドラムパターンが特徴的な一曲
どことなく異国情緒というかオリエンタルな不思議な雰囲気の曲であるが同期に様々な音色が使われてるのが所以か
サビで鳴るドラが特徴的で特にラスサビで他の楽器陣が休符であるところに鳴り響くそれはとても印象に残る
ファントム
こちらはB type の1曲目
歌詞がA type と対になるそうで彼方が傍観者、此方が当事者といった感じらしい
イントロの同期サウンドがいかにもならしさ、ある種の仰々しさというか「独裁的」な雰囲気を演出している
シンプルな曲調ではあるが「好きにやっちゃいました」と本人が語るとおりベースがうねうねと起伏のあるプレイになっており楽曲の肝となっている感
MALICE
2018年10月24日発売の15枚目シングル曲
フラメンコギターのようなアコギが随所に散りばめられている
イントロがタッピングによるリード→伸びやかな単音リードと移り変わる二段階構成は ザ・DIAURA 節といった感
アコギメインのAメロとハードなバッキングリフにシャウトが乗るBメロのコントラストがお互いを引き立てあう
サビの「Malicious cell~」で鳴るブリッジミュートが効いたオルタネイトピッキングが醸す疾走感が良き
2回目サビ後からの展開、どこか寂寥感のあるCメロ→一転してハードなBメロ→ラスサビへと突入していく怒涛の曲構成が非常に美味しくヴィジュアル系っぽい
このパートのBメロのみ途中で「デデッデッデッ」とキメが入るのがライブ中の胸熱ポイント
ラスサビの締め「ほら、生まれ変わる」で他の箇所と違って音程が上がって歌い終わるのもニクい
嘘とワルツを
今までのDIAURAにはなかったタイプの曲
ジャジー感満載のシャッフルビートにyo-kaのシニカルな歌が乗る
どこかのインタビュー記事で佳衣さんがこの曲を引いてる姿を想像出来ない的なことをインタビュアーさんから言われていたけれど頷ける
個人的にヴィジュアル系バンドのシャッフルビート曲大好き勢なのでこの曲もドンピシャに嵌まった
サビのラスト、「信じるものは救われるなんて嘘」というフレーズが印象的
一回目では「幼き日にああ、教えられた、信じるものは救われる」なんて、嘘
二回目は「ああ憐れみより、ああ残酷なのは、信じるものは救われる」なんて嘘
微妙にニュアンス違うのが割とツボにはまってます
[dignity]
タイトルの意味は威厳や品位といった感じ
こちらもDIAURAの十八番、胎動や倒錯症レジスタンスなどと同系統のインダストリアルなビートに乗せたナンバー
「独裁」というコンセプトとインダストリアルなビートって好相性ですよね
中盤にあるベースとギターの弦楽器隊によるソロセクションも聴き所に
ヘルグライド
デデッデ、デデッデ、デデッデデ、ヴォイ!/
わかりやすいライブでの暴れ曲
暴れ曲の良さっていかにサビに印象的なメロを乗せられるかだと個人的に思っていて
散々ヘドバンや拳、折りたたみ、逆ダイ、モッシュをやった後に開放感あるメロディアスなサビが来るこのコントラストが堪らない
曲が単調にならないようにギターのアレンジが効いてるのも良い
1回目のサビ前に入るブラッシングだったりラスサビで入るようになるピッキングハーモニクスなんかが良いアクセントになっている
特にブラッシングの使い方は個人的胸熱ポイント
低音弦、ローポジションメインのブラッシングって曲のヘヴィさがましましになる気がする
SPECIES
サビがガッツリと英詞なDIAURAとしては珍しいんじゃないかと思う曲
ミドル寄りのテンポなものの緩急のついた展開でダレることのない仕上がり
サビ前のティンパニーが一発鳴らされるのがけっこう印象的
佳衣さんもここぞという大事な曲に入れていると言うだけあって存在感のある音になっていると
ラストサビの「Oh jesus,My jesus "This world was mistake"~」部分にただよう何ともいえない悲壮感漂うyo-kaのヴォーカリゼーションが最高にオツ
断頭台から愛をこめて
MV曲
壮大さと陰鬱さ、MVの通りモノクロな世界が聴いていて浮かび上がるようなバラード曲
母親の影響で、断頭台と聞くとベルばらのフェルゼンとマリー・アントワネット編のラストシーンを思い浮かべる
パリに、フランスに別れを告げて断頭台の露と消えていく彼女の姿が幼い心に深く刻まれています
「ほらご覧、これは君の未来」
「僕は瞳を閉じるから背を向けて」
とあるように歌い手の視点は断頭台にかけられた人で、聴き手に対して「君もいずれこうなる」と歌っているのか
少し悩むのは
「さよなら忘れない」
は聴き手と歌い手どちらの言葉なのかということ
素直に受け取ればここだけ聴き手の言葉にとれるけれど、歌い手の言葉と解釈も出来るように思える
「I will forget me now.」
「I will forget you now.」
「You will forget me now.」
と続くからだ
あなたが死んでも私はあなたを忘れない
私が死んでも私はあなたを忘れない
どちらの思いも黒く塗りつぶしてしまう絶望を歌った曲ではともとれるかなと
想像したくはないけれど、DIAURAの解散ライブはこの曲が締めに相応しいのではないかなと一瞬考えもした
総評
全体的にシリアスな雰囲気の大人な作品に仕上がっていると感じた
SPECIESと断頭台から愛をこめて、嘘とワルツを、といった新境地な楽曲やDIAURA節全開な曲などミニアルバムならではの濃厚な作品ですな